発掘情報
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「伊都国」から弥生後期の硯出土
福岡県糸島市教育委員会が進めていた三雲・井原遺跡(同市三雲・井原)の発掘調査で,弥生時代後期(1~2世紀)の硯の破片が出土した。硯片は,長さ約6㎝,幅約4.3㎝,厚さ約6㎜の灰色の板状石で,使用されたすり減りの痕跡がみられる。中国・漢代に使用され,楽浪郡でも出土している,台に据えつける板状の硯と同様のものとみられ,長さ10~17㎝程度の大きさに復原される。また周辺で楽浪系土器も多数出土した。同遺跡は,「魏志倭人伝」に記される「伊都国」の中枢域と目され,三雲南小路王墓や井原鑓溝王墓などが見つかっている。楽浪郡からの使節が外交文書を扱っていたと考えられる。これまで国内での文字使用は3世紀ごろからといわれていた。