発掘情報
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鎌倉・古墳時代の人骨
鎌倉市から委託を受けた㈱斉藤建設埋蔵文化財調査部が発掘調査を進めていた長谷小路周辺遺跡から,古墳時代の2体の人骨がほぼ完全な形で見つかった。1体は仰臥伸展葬で,身長158㎝程度,10代半ばの男性。5~7世紀ごろのものとみられる泥岩の自然石で作られた石棺墓に埋葬されていた。石棺墓の大きさは長さ235㎝,幅114㎝,深さ約45㎝である。副葬品はなかったが,自然石には丁寧に削られた工具痕が残っていた。床には砕いた泥岩(磯石)が敷かれていた。もう1体も仰臥伸展葬で身長115㎝程度,性別は不明,年令は8~9才位と考えられる。石棺墓の西側約8.3mの場所で検出された土坑墓(長さ約150㎝,幅約50㎝,深さ約40㎝)から見つかった。同遺跡では,古墳時代ではほかに火を燃やした跡数ヵ所,埋設土器2基,土器や貝殻などが出土した。奈良・平安時代では竪穴建物12軒,土坑7基,鎌倉~室町時代では,方形竪穴建物7軒,井戸1基,土坑墓1基,イヌ・ウマの骨などが散乱していた。