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長者屋敷官衙遺跡で「幢竿」跡

大分県中津市教育委員会が発掘調査を進めている長者屋敷官衙遺跡(同市永添)で,幢竿の遺構を検出した。同遺跡は,奈良・平安時代(8~9世紀)の豊前国下毛郡の郡衙で税として徴収した稲をおさめる「正倉」群とみられ,これまでの調査により,全体形が分かるもので,16棟の建物が整然と並んでいたことがわかっている。今回発見された遺構は,横約110㎝,縦約90㎝,深さ約90㎝の6基の掘り込み。法倉(長期備蓄のための特別な倉)とみられる礎石建ちで最大規模の高床建物跡の正面に位置し,穴の形や埋土の状況などから判断された。幢竿は高い竿に旗などを飾り付けたもので,儀式などの際に使用された。幢竿跡はこれまでも平城宮跡や寺院跡などで見つかっているが,郡衙正倉では2例目。また,ほかの高床建物跡から出土した炭化木材が,分析の結果ヒノキであることが判明した。ヒノキは当時遺跡周辺では自生していなかったと考えられ,平城宮などで使われる高級建材だった。

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