カテゴリー

会誌新刊案内

考古学会ニュース

地域別

時代別

日付別

最近の記事

考古学会ニュース

発掘情報
  • 奈良県
  • その他

大型建物跡を検出,吉野宮の正殿跡か

宮滝遺跡(奈良県吉野町)から,奈良時代前半(8世紀)の吉野宮正殿跡とみられる大型掘立柱建物跡が1棟検出された。同町教育委員会と奈良県立橿原考古学研究所の調査による。1989(平成元)年の調査時には掘立柱建物の東端が検出されており,今回の調査で西側部分を検出,全体像が明らかとなった。一辺約1.2~2mの方形の柱穴跡が再検出のものを含めて17基確認されている。建物身舎部分の四方にひさしの支柱が巡る構造となっており,複数回建て直された可能性がある。ひさしを含めると検出された大型掘立柱建物は,東西9間(23.7m),南北5間(9.6m)。同様の間数の建物は飛鳥宮や平城宮の大極殿や内裏正殿などがある。このことから,『万葉集』や『日本書紀』などに飛鳥~奈良時代に天皇が盛んに訪れたとある吉野宮の正殿ではないかと推測される。年代を示す遺物は出土していないものの,周辺で検出した石敷や掘立柱塀遺構と一連の遺構と考えられ,奈良時代前半に築造と判断された。

ページトップへ戻る