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古墳時代の石製硯
福岡県福岡市が調査を進めている比恵遺跡群(同市)から,古墳時代前期の石製硯の破片が出土した。破片の長さは最大4.5㎝,幅約4.7㎝,厚さ約0.8㎝,石材を長方形の板状に加工しており,片面が研磨され,平滑面に擦り跡がみられる。硯は弥生時代中期以降に朝鮮半島から西日本を中心として広まったとされる。弥生時代の硯は三雲・井原遺跡(同県糸島市),中原遺跡(同県筑前市)などで出土している。同遺跡群は「魏志倭人伝」に登場する奴国の拠点集落であったとされ,これまでに小銅鐸や竪穴住居群が確認されている。