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徳川居室跡の「古御殿跡」「御亭跡」を確認

滋賀県野州市教育委員会が調査を進めている江戸時代の将軍の宿泊施設である永原御殿跡(同市)から,「古御殿跡」と「御亭跡」が確認された。本丸の一部,中央部の南北約12m,東西約7mのコの字型の礎石を含む石列が検出されたほか,西側の南北約7.6m,東西約6.0mの区域でも礎石や葛石などが確認され,いずれも建物跡とした。本丸の中央部は「古御殿」という将軍の居室,西側は「御亭」という望楼や茶室であったとされる。2017年8月から,江戸初期に作成された間取り図「指図」を基に,発掘調査が行なわれた。周辺の竹林には,本丸を取り囲む土塁跡や櫓跡も残る。御殿は徳川家が上洛時に休憩所や宿泊施設として利用していた施設であり,滋賀県内では水口(甲賀市),柏原(米原市),伊庭(東近江市)にも建設されている。永原御殿は約4万㎡と県内最大級で,1606年までに徳川家康が築いたとされ,7回の宿泊記録が残る。その後,拡張工事が幾度となく行なわれたが,幕藩体制が確立してから上洛の機会が減るとともに施設が利用されなくなっていった。1634年の家光の上洛時に使用されたのを最後に,1685年には解体された。

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