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「赤膚焼」の源流・「雲華焼」窯跡

郡山城下町遺跡(奈良県大和郡山市)から,江戸時代の窯跡が検出された。同市教育委員会が旧城下町内部で行なった発掘調査による。幅約1.9m,奥行き約1.6mのドーム状の窯だと思われ,江戸時代前期~中期の「雲華焼」の窯跡とみられる。窯跡のほかに火鉢や土風炉なども発見されており,雲華焼と窯体が融解して凝着している資料も確認されている。また,唐津焼の皿なども出土しており,17世紀前半~18世紀半ばに窯が運用されていたことが明らかになった。「雲華焼」は,江戸時代の高級茶道具に用いられた陶器で,橙色の器面に雲のような黒斑がみられることが特徴である。18世紀後半に廃絶され,その後,19世紀から奈良で発祥した,伝統的な「赤膚焼」の源流とされている。

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