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6世紀中ごろの横穴式石室から木棺3基

奈良県天理市教育委員会が発掘調査を進める豊田狐塚古墳（石上・豊田古墳群）で，6世紀中ごろの横穴式石室が検出された。石上・豊田古墳群は，物部氏の本拠地とされる布留遺跡の北側にあり，6～7世紀の大型前方後円墳や方墳のほか，150～200基の円墳が集中する。同古墳は直径約20mの円墳。横穴式石室は，南側の入口から羨道の一部（幅約0.8m，長さ約1m）と玄室（幅約2.2m，高さ約2.2m，長さ約4.4m）が確認された。床面には直径5～10㎝程度の床石が敷き詰められ，壁面には30～100㎝の石が7段積まれていた。床面に残った木片から3基の木棺があったことが推定できる。小型の旋回式獣像鏡（直径約9㎝）や金銅装の鉄製馬具・武器や，水晶製玉やガラス製玉などが多数副葬されていた。合わせて出土した土器の時期からみて，奥壁側の木棺が古く，入口側に向け新しくなっており，順番に追葬された可能性が考えられる。