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古墳時代初頭の赤彩壺
山梨県甲斐市教育委員会が発掘調査を行なった松ノ尾遺跡(同市中下条)で,古墳時代初頭の大型赤彩壺が出土した。壺は高さ84.3㎝,最大径64.6㎝で,口縁には粘土紐を縦方向に貼り付けたデザインが施されている。赤彩部分を分析した結果,顔料はベンガラを使用していたことがわかった。この壺は周溝墓の溝下層から出土しており,口縁は打ち欠いて肩部に乗せた状態で出土し,底部が穿孔されていたことなどから,葬送や祭祀儀礼に使用されたと考えられる。また,弥生時代から古墳時代初頭にかけての土器としては,山梨県最大の土器であることが判明した。